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「…やっぱり、こうなるだろうなって思ってた」

日曜日に、アントーニョとフランシスのところに再び訪れていた。
車を取りにくるのと、一応報告も兼ねて…らしい。
別にわざわざ言うことでもない気がしたけれど、
心配してくれていたらしいから…ま、俺は顔見せに来ただけのつもりで。

「なーんか、誤解してると思ってたんだよねぇ。」
「知っとったんなら言うてくれたらよかったのに。なぁ?」
「うーん、でもねぇ…ロヴィーノが素直に聞いてくれなかったし…?」

恐らく昔、アントーニョとフェリシアーノのことで酷く傷ついた俺を
慰めてくれた時のことを言ってるんだろう。

「悪かったな、素直じゃなくて」
「悪いとは言ってないでしょ、ほんとこの子はもー…」
「せや、それもこれも、みぃんな…ギルのせいや!」

ギロッとそれまで珍しく黙っていたギルベルトを、アントーニョが睨みつけた。

「お前がくだらんこと言うから、ロヴィーノに変な誤解させたんや!」
「はぁっ!?知らねーよっ!適当に返事してたお前のせいだろーが!」
「うっさい、一遍ボコらせろや!」
「なんでだよっ!」

ぎゃーぎゃー言い争う二人を遠巻きに眺めながら、フランシスは言った。

「でもまぁ、諦めないでくれて、良かったよ。」

アントーニョは、本当にお前のことが好きだから、
お前じゃないとだめなんだよ。と、によによと笑った。

「…そう、なのか?」
「そうなの。お前も大概鈍いよね〜」
「うっうるせぇ!」

反論しようとしたそのとき、突然店のドアが開かれた。

「兄ちゃんっ!殴られたって聞いたけど、大丈夫なの!?」
「馬鹿弟!?なんで…――――――」
「ギルベルトに聞いたの!病院には行ったの?っていうか、
アントーニョ兄ちゃんのせいってどういうこと!?」

じろっとアントーニョを見るフェリシアーノの瞳は冷たかった。

「もう、兄ちゃんに近づかないでって、言ったはずだよ…?」
「いや、これは不可抗力っていうか…てか、俺やなくてギルがやな…!」
「俺のせいじゃねーし!」
「そんなのどっちでもいいよ!兄ちゃん傷つけたら、俺が許さないから!」

珍しく凄い剣幕で怒鳴るフェリシアーノの肩を掴んだ。

「馬鹿弟…もう大丈夫だから、その…心配すんな。」
「ヴェ…でも、兄ちゃん…」
「大丈夫だって言ってんだろ、畜生。」

フンっと鼻を鳴らして視線を反らせた。

「…分かった。でも、何かあったらちゃんと言ってね。…心配しちゃうから…」
「…おぅ。」
「アントーニョ兄ちゃん、今度こそ、兄ちゃんのこと大事にしてあげてね。
…絶対、だよ?」
「うん、大事にする。今度は、絶対」

アントーニョが俺の手をぎゅっと握った。
真剣な表情でそういうと、アントーニョとフェリシアーノの二人は笑った。
つられるように、俺も頬を緩ませた。


昔の男は上司となり、そして再び、俺の恋人になったんだ…――――――。








「…なんていうか、フェリシアーノも大概ブラコンだよね」
「流石フェリシアーノちゃんだぜ!」
「なのに、大事にされてるって自覚ないのも罪だよねー」

二人とも鈍感すぎだよね、ほんとお兄さん苦労するぅ。
などといいながら、フランシスも口元を綻ばせた。

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兄ちゃんはこれからも西ロマ二人を生暖かく見守ってくれるといいな。
そしてギルベルトは……うん。
回り道しまくったけど、結局元鞘に収まる。
西ロマっていいよね。(イミフ)


2011/6/12 up