コバルトブルーの海色の、身体にぴったりとした、
だが腿から下はふんわりと広がりを見せるドレス。
胸元、耳元を彩るのは真珠。
着飾られたその子の唇に、仕上げのように薄く紅を塗って
一、二歩離れてその様子に、満足して口元に笑みを浮かべて頷いた。
「えぇで、ロヴィーノ。めっちゃ綺麗や。」
「これで、満足かよ。」
「うん。めっちゃかわえぇ!ロヴィーは青もよう似合うで。」
ちゅっと首筋にキスをして、抱き上げる。
「俺のかわえぇお姫さん。なんでそんなかわえぇの?」
「歯の浮くような台詞言っても、似合わねーからやめとけ。」
言いながらロヴィーノは手に持っていたリボンで
俺の後ろ髪を縛った。
その後、ちらと俺を横目で見て、ふっと口元に笑みを浮かべた
と思ったら、さっき自分が彼にしたように、
俺の首筋に顔を埋めてちゅっと可愛らしいリップ音。
…の、後。カリッと噛み付かれて声を上げた。
「っ!ちょっ、ロヴィー何してんね〜ん。
お前は今、“海賊に捕まったお姫さん”やろ〜?」
とか言いつつ。まったく怒ってはいないわけで。
(怒る理由がない。)
「姫だなんて、柄じゃないっつってんだよ。」
唇を尖らせ、むっつりと膨れ面。
そんな顔をしていても、ロヴィーノは可愛い。
目に入れても痛くない。それくらい愛しい。
「えぇ〜。えぇやん、お姫様。ぴったしやん。」
「そういうのは、弟のが合うだろ。」
あー…またそういうこという…。
もう。そういうこと言う子には、お仕置きや。
ロヴィーノを抱いたまま、寝室のドアを開け
ゆったりと広いベッドの上にその身体を投げ出した。
「、わっ!」
「かわえぇかわえぇお姫さん、俺とこの海でダンスでも踊ってくださいな。」
言いながら耳飾りごと耳朶を、ぱくり。
指先は、つっ…と身体の線をなぞった。
ビクっと跳ねる身体に、笑む。
「ひ、姫さんとか、ゆうな…っ!あと、耳、…んぁ…やめろっ!」
かああっと真っ赤なトマトのようになったロヴィーノは、
逃げるように身体を捻る。
「こら、逃げんの。…抵抗するんやったら、鎖で繋いでまおか。」
「っ!や、」
「その方が雰囲気出てえぇかなあ?」
にっこり笑うと、ロヴィーノは顔色を若干青くした。
じんわりと目尻に浮かんだ涙に、ほんま、すぐ泣くなぁ。
と、頭の端で思った。
「今日のお前、なんかこえぇぞこのやろー!」
「えー?やって、俺一応“海賊”やもん〜。」
震える身体を押さえつけて、ゆっくり優しく口付ける。
唇を触れ合わせていると、怯えてるくせに、
すぐに薄ら唇を開くのだから。
ほんま、キスが好きやなぁ。
かわえぇなぁ。
「…ん、っふ…」
舌を絡めた深い口付けを何度も繰り返し、
ゆっくりと離れる。
はふはふと相変わらず頬を赤くしたまま呼吸するロヴィーノは、
扇情的でそそられる。
「さぁ、お姫さん…大人しく、俺のもんになったって。」
まるで人魚の零した涙のように美しい、真珠の耳飾りに、囁きをひとつ。
そしてゆっくりと視線を合わせる。
ロヴィーノは、すっと手を伸ばしてきたので
何をするのかと見守っていると、先程リボンを結んだ髪の束に口付けてきた。
「俺は、姫なんて可愛いもんじゃねぇぞ。
…それに、捕まったのは俺じゃなくて、お前の方だろ。」
なぁ、海賊さんよ。
歌に惑わされて、海に沈む。
哀れな船乗りよ。
「――――――――なるほど。姫さんかと思ったら、Sirena か。」
くつりと喉の奥で笑った。
確かに、そうかもしらん。
「でも、こんな綺麗なんやったら、それでもえぇな。」
「いいのかよ。…死ぬかもしれないぞ。」
「えぇよ。やって、海賊はそのセイレーンを愛してしまったからなぁ。」
でも、安心したって。
死ぬときは、一緒に海へ引きずり込むで。
そしたら、ほら。
「これは悲劇やない、Final felizで終わるやろ。」
ばあか。いちいちくせーんだよ。
そう言いながらも、笑う俺のセイレーンに
もう一度口付けた。
さぁ、共に海へ還ろうか。
・…・…・…・…・…・…・…・…・……・…・…・…・…・…・
一回書いて見たかった。海賊×セイレーン。
セイレーンと言えば、人魚のイメージが浮かびますが、
実はセイレーンって上半身が女性で、下半身は鳥なんですよね。ビックリ。
まぁでもロマに着せている服は人魚イメージですけど。
ちなみに
*Sirena=シリーナ(セイレーン)
*Final feliz=西語でパッピーエンド…です。
で、西ロマはいつ結婚しますか??←
2010/6/26 初出
2013/2/16 up
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