俺の勤めている会社では、独身のヤツの方が珍しい。
何せ『結婚相談所』だからだ。
だから、俺も一時結婚はしていた。
…『いた』過去形や。
離婚した時は上司であるローデリヒに、結構しぼられたなぁ。
結婚相談所のものが結婚していないと、いろいろあれなんだ、とか。なんとか。
そう言われてもなぁ。
そんなホイホイ結婚なんか出来るわけないやんかー。
しかも、俺は一回失敗しとる口やし。
今度こそ、一生一緒に居たい。
そう思える相手とがえぇなぁ。
けど、そんな相手なんて早々見つかるもんでもないやん?
前の時は結構周りに流された感もあって、
軽い感じで結婚してもうたから、余計に。
そんな軽くやなく、もっとこう…じっくりゆっくり…な?
そう…思ってたんや。
ほんまやって!
信じたって!!
その日は朝からえぇ天気で、お見合い日和やった。
そんなえぇ日に、事務のバイトとして入ったのが、今の俺の…嫁さん。
「ロヴィーノ・ヴァルガス、です。」
さらりとしたチョコレート色の髪に、
オリーブ色の綺麗な瞳。
若干むっつりと不機嫌そうな表情ではあるが、
それはそれは、綺麗な子ぉやった。
「うわ〜、自分えっらい美人さんやなぁ!恋人とか、居てるん?」
「はぁ…?…や、いない…です、けど…。」
「えっほんまっ!?そんなら――――――――俺と結婚せぇへんっ!?」
ほんまは軽い冗談のつもり、やってん。
ほら、周りのヤツらも笑っとるし。
軽く流されるか、素気無くされる覚悟もしてて。
「おっまえ、いきなり何言ってんだよ〜」
「えっ、やって好みの子ぉが服着て歩いてんもん!口説くやろ、フツー!」
「ばーか、えっと…ヴァルガス君だっけ?相手しなくていい…」
「――――――――いいぜ。」
「…から…って、えぇぇっ!?」
ロヴィーノは、俺の瞳をまっすぐと、それはそれは真剣な眼差しでもって。
「そのプロポーズ、受けてやるって言ってんだよ。」
出逢って数分で、プロポーズ。
その数時間後に、婚姻届を出した。
まさに、電撃結婚…だった。
お互い、何にも知らないところから、スタートした俺とロヴィーノだけど、
思ってたよりはそれなりに、上手くやっている。
朝、ロヴィーノに乗っかられて酷い目覚め方をする羽目になっても。
「もっと優しく起こしたってぇ…。」
「例えば?」
「例えば、ちゅーで起こしてくれたり、とか…。」
「そんなもんで起きないだろ、お前の場合。」
「ごもっともです…はい。」
朝食は既に出来上がっている上に、弁当もしっかり毎日作ってくれる。
ロヴィーノの料理は美味い。
俺もそれなりに出来るけど、レストランでバイトしたこともあるというだけある。
だがしかし、片付けや掃除は苦手である。
…まぁ、分担すればいいだけである。
俺的には特に問題では………ちょっとあるが、別にえぇわ〜。
何しろ、ロヴィーノは可愛いから。
「ロヴィがいつもスーツ用意してくれるようになってから、
最近格好良くなったって言われたで〜。」
「当然だろ。俺が見立ててんだから。」
おかげで前よりも仕事が上手い事行くようになった。
なにより。結婚して、よかったと思う瞬間。
最初、いつもむっつり不機嫌そうなロヴィーノに、
少しでも喜んで欲しくて。
笑顔が見たくて。
帰りに駅の近くの閉店間際の花屋で買った、その日の売れ残りの花を一輪。
リボンを巻いて貰ったそれを、土産と言って渡した。
きょとんとして、その後かあっとトマトみたいに真っ赤になった
ロヴィーノの顔が、あまりにも可愛くて、胸がほっこり暖かくなった。
以来、帰る時にその花屋が開いていれば、毎回買って帰るようになった。
あるときは、バラ。
またあるときはデイジーやら、ガーベラやら。
毎回違う花であるが、どんな花であろうとも、
ロヴィーノはあげた花を大事にしてくれた。
その、花を愛でる照れたような、でも幸せそうな緩んだ表情が。
あぁ、俺めっちゃロヴィーノ好きやなぁって思う瞬間であり。
結婚してよかった、って思う瞬間。
あの時は、冗談のつもりやってん。
…でも。口が正直、とはよく言ったもんやな。
もしかしたら、頭で考えるよりも先に。
唇が。
この子が運命の人や、と理解していたのかもしれない。
・…・…・…・…・…・…・…・…・……・…・…・…・…・…・
婚内恋愛な西ロマ。
結婚から恋愛スタートな西ロマだっていいじゃない。
だから早く結婚すればいいのに!!←
西の離婚した奥さんは別に誰でもないです。ななしさんです。
ロマの方は親分と面識があったという裏設定あり。
親分はまったく覚えてないけど。
こういう話もまた改めて書きたい。
パラレルばっかりですいません。
2010/6/19 初出
2013/2/16 up
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